【Solidity】第1章第7回:演算子の基本(算術、比較、論理)

本記事では、Solidityの演算子について詳しく解説します。算術演算子、比較演算子、論理演算子の基本を学び、スマートコントラクトでの活用方法を理解しましょう。
0. 記事の概要
この記事を読むメリット
- 演算子の基本を理解:Solidityで使用されるさまざまな演算子の使い方が分かります。
- スマートコントラクトのロジック構築:演算子を活用して効率的なコードを書く力を身につけます。
- エラーの回避:演算子に関連するよくある問題を予防できます。
この記事で学べること
- 算術演算子の基本的な使い方
- 比較演算子と条件式の記述方法
- 論理演算子を使った複雑な条件式の構築方法
1. 算術演算子の基本

1.1 主な算術演算子
算術演算子は、数値の計算を行うための演算子です。以下は、Solidityで使用される主な算術演算子です:
+
: 加算-
: 減算*
: 乗算/
: 除算%
: 剰余
1.2 コード例
// 算術演算子の例
function calculate(uint256 a, uint256 b) public pure returns (uint256, uint256, uint256, uint256, uint256) {
return (a + b, a - b, a * b, a / b, a % b);
}
動作解説
この関数では、加算、減算、乗算、除算、剰余を計算し、それぞれの結果を返します。
2. 比較演算子の基本

2.1 主な比較演算子
比較演算子は、2つの値を比較して真または偽を返します。以下は主な演算子です:
==
: 等価!=
: 非等価>
: より大きい>=
: 以上<
: より小さい<=
: 以下
2.2 コード例
// 比較演算子の例
function compare(uint256 a, uint256 b) public pure returns (bool, bool, bool, bool, bool, bool) {
return (a == b, a != b, a > b, a >= b, a < b, a <= b);
}
動作解説
この関数では、入力された2つの値を比較し、それぞれの条件式が真か偽かを返します。
3. 論理演算子の基本
3.1 主な論理演算子
論理演算子は、条件式を組み合わせたり反転したりするために使用されます。以下は主な論理演算子です:
&&
: AND(かつ)||
: OR(または)!
: NOT(否定)
3.2 コード例
// 論理演算子の例
function logicalOperators(bool x, bool y) public pure returns (bool, bool, bool) {
return (x && y, x || y, !x);
}
動作解説
この関数では、AND、OR、NOTの結果を返します。複雑な条件式を構築する際に役立ちます。
4. よくあるエラーとその対処法

4.1 除算時のゼロ割エラー
ゼロで割ろうとすると、実行時エラーが発生します。
// エラーを防ぐコード例
function safeDivide(uint256 a, uint256 b) public pure returns (uint256) {
require(b != 0, "Division by zero is not allowed");
return a / b;
}
対処法
require
を使用して、分母がゼロでないことを確認するコードを記述します。
4.2 オーバーフローとアンダーフロー
Solidity 0.8.0以降、オーバーフローとアンダーフローはデフォルトで検出されます。
// 安全な加算操作
function safeAdd(uint256 a, uint256 b) public pure returns (uint256) {
return a + b;
}
対処法
最新のコンパイラを使用して、このようなエラーを防ぎます。
5. 練習問題
以下の課題に挑戦してみましょう:
- 入力された2つの数値を比較し、最も大きな値を返す関数を作成してください。
- 論理演算子を使って、複数の条件を満たす場合のみ特定の値を返す関数を作成してください。
6. まとめ
本記事では、Solidityにおける算術演算子、比較演算子、論理演算子について学びました。これらの演算子を正しく活用することで、効率的で柔軟なスマートコントラクトを構築することができます。次回は、コメント文とコードの可読性向上について解説します。