【Solidity】第2章第4回:繰り返し処理:for文の基本

本記事では、Solidityにおける繰り返し処理の基本であるfor文の使い方について詳しく解説します。繰り返し処理を活用することで、効率的なスマートコントラクトを設計する方法を学びましょう。
0. 記事の概要
この記事を読むメリット
- for文の基本構造を理解:繰り返し処理を適切に記述するスキルを学べます。
- スマートコントラクトの効率化:大量のデータ操作を効率的に行えるようになります。
- エラー防止:繰り返し処理でのよくあるミスを回避する方法を知ることができます。
この記事で学べること
- for文の基本構文と使い方
- 繰り返し処理の活用例
- for文に関連するエラーとその解決策
1. for文の基本構文

1.1 for文とは?
for文は、特定の条件が満たされるまで同じ処理を繰り返す構文です。以下が基本構文です:
// for文の基本構文
for (初期化; 条件; 更新) {
// 繰り返し処理の内容
}
1.2 コード例
// 例: 配列の要素を合計する
function calculateSum(uint256[] memory numbers) public pure returns (uint256) {
uint256 sum = 0;
for (uint256 i = 0; i < numbers.length; i++) {
sum += numbers[i];
}
return sum;
}
動作解説
このコードでは、配列numbers
の各要素を順番に合計し、結果を返します。
2. for文の活用例

2.1 配列の操作
for文は、配列の操作に広く使用されます。以下は、特定の条件を満たす配列の要素をカウントする例です。
// 例: 配列内の偶数の個数をカウント
function countEvenNumbers(uint256[] memory numbers) public pure returns (uint256) {
uint256 count = 0;
for (uint256 i = 0; i < numbers.length; i++) {
if (numbers[i] % 2 == 0) {
count++;
}
}
return count;
}
動作解説
このコードでは、配列の各要素に対して偶数かどうかをチェックし、偶数の個数をカウントします。
2.2 繰り返し処理での条件分岐
for文内で条件分岐を組み合わせることで、柔軟な処理が可能です。
// 例: 配列内の値を条件に基づいて別々の処理を実行
function processNumbers(uint256[] memory numbers) public pure returns (uint256, uint256) {
uint256 evenSum = 0;
uint256 oddSum = 0;
for (uint256 i = 0; i < numbers.length; i++) {
if (numbers[i] % 2 == 0) {
evenSum += numbers[i];
} else {
oddSum += numbers[i];
}
}
return (evenSum, oddSum);
}
動作解説
このコードでは、配列内の偶数の合計と奇数の合計を別々に計算して返します。
3. よくあるエラーとその解決策

3.1 無限ループの発生
for文の終了条件が適切に設定されていないと、無限ループが発生する可能性があります。
// 悪い例: 終了条件がない
for (uint256 i = 0; i >= 0; i++) {
// 無限ループが発生
}
// 改善例: 正しい終了条件を設定
for (uint256 i = 0; i < numbers.length; i++) {
// 適切なループ処理
}
対処法
終了条件を適切に設定し、無限ループが発生しないようにしましょう。
3.2 配列の範囲外アクセス
配列の範囲外を参照すると、エラーが発生します。
// 悪い例: 範囲外アクセス
for (uint256 i = 0; i <= numbers.length; i++) {
sum += numbers[i]; // エラー発生
}
// 改善例: 範囲内でのアクセス
for (uint256 i = 0; i < numbers.length; i++) {
sum += numbers[i];
}
対処法
ループ条件をi < numbers.length
のように設定し、配列の範囲外アクセスを防ぎましょう。
4. 練習問題
以下の課題に挑戦してみましょう:
- 配列内の奇数の要素を合計する関数を作成してください。
- 配列の要素が特定の値以上の場合にカウントする関数を作成してください。
5. まとめ
本記事では、Solidityにおけるfor文の基本構文と活用例について学びました。繰り返し処理を正しく活用することで、効率的なスマートコントラクトの開発が可能になります。次回は、while文の基本について詳しく解説します。