【Solidity】第2章第1回:条件分岐:if文の基本

本記事では、Solidityにおける条件分岐の基本となるif文の使い方について詳しく解説します。条件式を用いることで、スマートコントラクトの処理を柔軟に制御する方法を学びましょう。
0. 記事の概要
この記事を読むメリット
- 条件分岐の基本を理解:スマートコントラクトの処理を分岐させる方法を学べます。
- Solidityのコード記述力向上:柔軟なロジックを実装できるようになります。
- エラーを防ぐコーディング:if文を活用して不正な操作を防ぐコードを書けるようになります。
この記事で学べること
- if文の基本構文と使い方
- 条件式の書き方と注意点
- よくあるエラーの防ぎ方
1. if文の基本構文

1.1 if文の概要
if文は、条件式がtrue
の場合に特定の処理を実行するための構文です。以下が基本構文です:
// if文の基本構文
if (条件式) {
// 条件式がtrueの場合に実行される処理
}
1.2 コード例
// 例: 数値が10より大きい場合に特定の処理を実行
function checkNumber(uint256 number) public pure returns (string memory) {
if (number > 10) {
return "10より大きい数です";
}
return "10以下の数です";
}
動作解説
このコードでは、入力された数値が10より大きい場合に特定のメッセージを返します。それ以外の場合は別のメッセージを返します。
2. 条件式の書き方と注意点

2.1 条件式の基本
条件式には、比較演算子(==
, !=
, >
, <
など)や論理演算子(&&
, ||
, !
)を使用できます。
// 複数の条件を使用した例
function isEligible(uint256 age, bool isMember) public pure returns (string memory) {
if (age >= 18 && isMember) {
return "利用可能です";
}
return "利用条件を満たしていません";
}
動作解説
このコードでは、年齢が18以上で会員である場合に利用可能なメッセージを返します。
2.2 注意点
- 条件式が複雑すぎると、可読性が低下します。適切に分割して記述しましょう。
- 条件式の記述ミスに注意(例:
=
と==
の混同)。
3. よくあるエラーとその解決策

3.1 条件式の記述ミス
if文の条件式で記述ミスが発生すると、意図しない挙動を引き起こす可能性があります。
// 悪い例: = を使用している
if (value = 10) {
// 常にtrueとなり、意図しない動作を引き起こす
}
// 改善例
if (value == 10) {
// 正しい条件式
}
対処法
==
と=
の違いを理解し、意図した条件式を記述しましょう。
3.2 未定義の条件式
条件式の変数が未定義の場合、コンパイルエラーが発生します。
// 悪い例: 未定義の変数を使用
if (undefinedVariable == 10) {
// エラーが発生
}
// 改善例
uint256 value = 10;
if (value == 10) {
// 正しい条件式
}
対処法
条件式で使用する変数が正しく定義されていることを確認しましょう。
4. 練習問題
以下の課題に挑戦してみましょう:
- 入力された値が0より大きい場合に「正の数」と出力する関数を作成してください。
- 年齢が18歳以上かつ学生である場合に特定のメッセージを返す関数を作成してください。
5. まとめ
本記事では、Solidityにおけるif文の基本的な使い方や注意点について学びました。条件分岐を活用することで、スマートコントラクトの柔軟性を高めることができます。次回は、else文とelse if文について詳しく解説します。