【C言語】第1章第10回:キーワードと識別子:C言語で使用される予約語
プログラミングにおいて「キーワード」と「識別子」を正しく理解することは非常に重要です。この章では、C言語で使用される予約語(キーワード)のリストと、それらがどのように使用されるかについて詳しく解説します。また、識別子の命名ルールや良い命名方法についても触れます。
1. キーワードとは?
キーワード(予約語)は、C言語で特別な意味を持つ単語であり、変数名や関数名として使用することはできません。
主なキーワード:
int
,float
,char
:データ型の定義に使用。if
,else
,switch
:条件分岐の制御に使用。for
,while
,do
:ループ処理に使用。return
,void
:関数の終了や戻り値に使用。
これらのキーワードを正しく理解することで、プログラムの構造をしっかり把握できます。
2. 識別子とは?
識別子は、変数や関数、配列などに付ける名前のことです。識別子を作成する際には、以下のルールを守る必要があります:
- 識別子はアルファベット(a~z, A~Z)、数字(0~9)、アンダースコア(_)を使用可能。
- 先頭文字はアルファベットまたはアンダースコアでなければならない。
- キーワードと同じ名前を付けることはできない。
- 大文字と小文字は区別される(例:
variable
とVariable
は異なる)。
3. キーワードと識別子を使ったプログラム例
以下のプログラムでは、キーワードと識別子を活用しながら基本的な計算を行います:
#include <stdio.h> // 標準入出力ライブラリをインクルード
int main() { // プログラムのエントリポイント
int num1 = 10; // 識別子num1に整数値10を代入
int num2 = 20; // 識別子num2に整数値20を代入
int sum = num1 + num2; // 加算結果を識別子sumに格納
printf("The sum of %d and %d is %d\n", num1, num2, sum); // 結果を出力
return 0; // プログラムの正常終了を示す
}
プログラムの流れと解説
#include <stdio.h>
:標準入出力ライブラリを使用可能にする。int main()
:プログラムの開始点を定義。int num1 = 10;
とint num2 = 20;
:整数型の変数num1
とnum2
を宣言し、それぞれ10と20を代入。int sum = num1 + num2;
:num1
とnum2
の加算結果を変数sum
に格納。printf
:計算結果を画面に出力。return 0;
:プログラムが正常終了したことを示す。
4. 良い識別子の命名方法
良い識別子名を選ぶことは、コードの可読性を大幅に向上させます。
- 意味のある名前を付ける:例:
totalAmount
やisActive
。 - キャメルケースを使用:単語の区切りを大文字で表現する(例:
studentName
)。 - 略語を避ける:短すぎる名前や曖昧な名前は避ける(例:
tmp
やx
ではなくtempValue
やcoordinateX
)。
良い例と悪い例
良い例 | 悪い例 |
---|---|
totalPrice | tp |
isActive | ia |
studentName | sn |
5. 練習問題
以下の課題に挑戦し、キーワードと識別子の理解を深めてください:
- キーワード
if
とelse
を使用して、2つの数値を比較し、大きい方を出力するプログラムを作成してください。 - 識別子を工夫して、三角形の面積を計算するプログラムを作成してください。
- 命名規則を守って、学生の名前、年齢、成績を入力し、それを出力するプログラムを書いてみましょう。
6. まとめ
キーワードはC言語で予約された特別な単語であり、プログラムの構造や動作を制御します。一方で識別子は、プログラム中のデータやロジックを表現するための名前です。これらを適切に使い分けることで、効率的で読みやすいコードを作成できるようになります。