【Vyper】第3章第4回:イベントの定義と活用:ログ出力の方法

本記事では、Vyperにおけるイベント(Event)の定義方法とログ出力の仕組みについて詳しく解説します。イベントを適切に活用することで、ブロックチェーン上の動作を可視化し、スマートコントラクトのデバッグや通知機能を強化できます。
0. 記事の概要
この記事を読むメリット
- Vyperのイベントの基本概念を理解できる
- ログ出力を活用し、コントラクトの状態を監視できる
- 実際のコードを通じて、イベントの使い方を習得できる
1. イベントとは?
イベントとは、スマートコントラクトが特定の動作を実行した際にブロックチェーン上に記録されるログ情報のことです。外部アプリケーションはこのログを監視し、特定の動作が行われたことを検知できます。
1.1 イベントの特徴
- 記録可能: ブロックチェーン上に履歴が保存される
- 外部から監視可能: DApps(分散型アプリ)やフロントエンドが契約の動作を把握できる
- ガスコストが安い: 状態変数を変更するよりもコストが低い
1.2 イベントの具体的な用途

- 資金移動の通知: トークンの送受信時のログ記録
- 契約変更の記録: スマートコントラクトの重要な状態変更の記録
- エラー処理: 失敗した取引のログ出力
2. Vyperでのイベントの定義
Vyperでは、イベントを定義してスマートコントラクトの動作を記録できます。以下のコード例を見てみましょう。
2.1 基本的なイベントの定義
# イベントの定義
Transfer: event({from: address, to: address, amount: uint256})
@public
def transfer(to: address, amount: uint256):
log Transfer(msg.sender, to, amount)
動作解説
- Transfer: event(…) – 転送イベントを定義
- log Transfer(…) – 実際にイベントを記録
2.2 イベントを活用した状態管理

Deposit: event({user: address, value: uint256})
@public
@payable
def deposit():
log Deposit(msg.sender, msg.value)
動作解説
- Deposit: event(…) – 入金イベントを定義
- log Deposit(…) – 入金時に記録
3. 練習問題

3.1 練習問題
以下の課題に挑戦してください。
- ユーザーが特定の関数を実行したときにログを記録するイベントを作成する
- エラー発生時にログを出力する仕組みを実装する
4. まとめ
本記事では、Vyperのイベントの定義と活用方法について学びました。ログを活用することで、スマートコントラクトの状態を可視化し、より安全で透明性の高いシステムを構築できます。